函館の夜は、ガパオで始まりホテルで終わる。観光街まで歩いていける“ちょうどいい宿泊地”の話。

またひとつ、知らない街の夜が始まる。
出張で函館に来た。夜に到着したうえに観光じゃないから、有名どころを巡る時間はない。
でも、せっかく来たからには、何かその街っぽいことをしたい。
そんなふうに思って歩いていたら、偶然見つけたのがこのお店だった。
「ガパオ飯」って名前に惹かれて。
真っ白な建物。夜の函館の裏通りに、ぽつんと明かりが灯っている。
そこに掲げられた看板には、堂々とこう書いてある。

まさかの店名が「ガパオ飯」。
潔い。強い。すごく気になる。
入り口は控えめ。でも、店の存在感は妙にある。
この雰囲気、ただの弁当屋じゃない。
これは間違いないやつだ──と、直感で判断。
さっそく中に入り、テイクアウトをお願いする。
ガパオライス+グリーンカレーから揚げ=優勝メシ
頼んだのは「チーズガパオライス」。
ごはんの上にしっかり味のひき肉、そこにチーズがとろ〜りとかかって、
仕上げはこんがり焼かれた目玉焼きがドン。

このビジュアル、完全に反則。
スパイスの香り、甘辛のタレ、チーズのコク。
そこに半熟の黄身を崩して絡めると、口の中がもうお祭り状態。
野菜も意外とたっぷりで、ズッキーニやパプリカが彩りを添える。
ジャンクだけど、ちゃんと食べてる感もあるのが嬉しい。
そしてサイドメニューに頼んだ「グリーンカレーから揚げ」。
これがまた、出張メシとしての完成度を一気に押し上げてくる。
ふわふわモチモチのから揚げに完全にグリーンカレー的な衣。ビールがあったら3本いける。

ひと口食べて思った。
これ、ホテルで食べたら最強だな。ホテルから歩いて2分だし。

今夜の宿は「ホテル函館ロイヤル シーサイド」

テイクアウトを手に、向かったのは今夜の宿。
ホテル函館ロイヤル シーサイド。
名前に“ロイヤル”とついているけど、気取りはない。
建物は大きめ。外観はクラシック寄りのビジネスホテルという印象。
中に入ると、天井が高くてゆったりしている。
無駄にオシャレじゃないけど、ちゃんと整ってる。
「出張慣れした人が安心して泊まれる場所」、そんな感じだ。
部屋は広め。ソファがあるだけで嬉しい。
今回泊まったのはツインルーム。
ベッドのほかにちゃんとソファとテーブルもある。
これがあるだけで、部屋に“滞在感”が出る。

デスクも広めで、パソコン作業が快適にできる。
もちろんWi-Fiも問題なし。
そして肝心のベッド。
ちょっとやわらかめだけど、出張の疲れをほどよく包んでくれる寝心地。
なによりありがたかったのは、“静かさ”。
市街地にありながらも、夜はとても静かでよく眠れた。
風呂とアメニティは必要十分。
お風呂はユニットバスだが、清掃が行き届いていて清潔感◎。
お湯の出も申し分なし。湯船に浸かれるのはやっぱりありがたい。
アメニティも必要なものはすべてそろっていて、
ビジネスユースとしては非常に快適だった。
テイクアウト飯×広めの部屋=至福の夜
さて、話は戻る。
部屋のテーブルにガパオ飯を広げ、缶ビールを片手にひとり乾杯。
この瞬間のために、今日一日頑張ってきた気がする。
テレビもつけず、部屋の明かりを少し落として、
ガパオとグリーンカレーの香りに包まれる。

うまい。しみる。落ち着く。
どこかに出かけたり、夜景を見に行ったりしなくても、
この「自分の時間」にちゃんと満足できる夜だった。
「ちょうどいい」が、やっぱりいい
ホテル函館ロイヤル シーサイドは、
豪華でもなく、古びてもいない。まさに“ちょうどいい”ホテルだった。これまた値段もリーズナブル。ぜひ1泊の金額も調べてみてほしい。驚くぞ。
そして「ガパオ飯」は、
派手じゃないけど記憶に残る、ちょっとクセになるテイクアウトだった。

旅や出張で大事なのって、たぶんそういう「ちょうどいい」に出会えるかどうかだと思う。
函館の夜。
次にまた来ることがあったら、違う味も楽しみたい。
そう思わせてくれる夜だった。