【帯広豚丼はなとかち】炭火じゃないのに炭火を超える?タレを重ねて仕上げる唯一無二の豚丼

豚丼の街・帯広で、「あえて電気焼き」の一杯に出会った
北海道・帯広といえば、言わずと知れた“豚丼の聖地”。
あちらこちらに老舗や人気店が立ち並び、それぞれが「うちのが一番!」と語る、いわば“豚丼戦国時代”。
そんななかで、少し異色の存在がある。
それが「豚丼はなとかち」だ。
この店、炭火焼きではない。
……のに、炭火焼きを超えるほどに香ばしく、旨味にあふれている。
最初に聞いたときは、正直こう思った。
「いやいや、炭火じゃない豚丼なんて…大丈夫?」
だけど、ひと口食べた瞬間にその考えは吹き飛んだ。
これは“炭火風”なんてものじゃない。唯一無二の焼き技術と、タレの芸術だった。
「炭火じゃない」と聞いて気になった。だから行ってみた。

場所は、帯広市大通り南12丁目2-4 佳ビル1F
駐車場5台。店舗は落ち着いた外観で、入りやすい雰囲気。
中に入ると、漂う香りはまさしく“炭火風”。
甘じょっぱくて、香ばしい。思わず唾を飲み込む。
席に着き、メニューを見るまでもなく注文。
「豚丼(並)で。」
この時点で、期待と空腹でテンションはMAX。
そして、ここからが「はなとかち」の真骨頂だった。
電気グリラー、なのにすごい。その秘密とは?
ここ「はなとかち」で使われているのは、炭火ではなく“高熱電気グリラー”。
聞けば、この電気グリルは炭火と同じ周波数の熱線を放出する特殊なもので、
肉を炭火のようにふっくら・香ばしく焼き上げることができるという。

↑※画像は公式HPより引用
さらに驚くべきは、「タレを塗って焼く」工程を何度も繰り返すこと。
ただ漬けて焼くのではなく、刷毛で丁寧にタレを塗っては焼き、塗っては焼き……。
これにより、肉の表面には「タレの層」が幾重にも重なり、まるで“肉とタレのミルフィーユ”のような深みが出る。
しかも、焼きは網焼き。余分な脂が落ちるように設計されていて、ジューシーさは残しつつ、しつこくない。
この時点で、ただの「豚丼屋さん」ではないと確信した。
選べる部位、「バラ」か「ロース」か。そして両方の贅沢「ハーフ&ハーフ」
メニューを開けば、悩ましい選択が待っている。
- バラ肉豚丼:脂の甘さととろける食感が魅力。濃厚なタレと好相性。
- ロース豚丼:赤身のしっかりした旨みと歯ごたえ。香ばしい焼きがより際立つ。
迷ったら「バラ&ロースのハーフ」一択だ。
実際に注文したのは半ばら豚丼(中盛)。
ふたを開ければ、バラとロースが半分ずつ美しく並び、どちらから箸をつけるか一瞬迷う。
まずはロース。厚みがありながらも柔らかく、じゅわっと肉汁が広がる。
タレの層が生む“甘みと焦げの複雑な味わい”が口の中で炸裂する。
次にバラ。脂がとろけて、まるで炙ったチャーシューのよう。
脂の甘さとタレの塩味が混ざり合い、これまた白飯泥棒だ。
肉だけじゃない。「米」と「味噌汁」にも、店の魂が宿る
豚丼の主役は肉だが、それを支えるご飯と味噌汁の完成度も、はなとかちの魅力だ。
ご飯には、北海道産米「ふっくりんこ」を使用。
やや硬めに炊かれ、タレと肉の旨味をしっかりと受け止める。
しかも、炊き立て。香りもツヤも申し分ない。
味噌汁は、野菜と出汁がしっかり効いた優しい味わい。
濃い味の豚丼とのバランスが絶妙で、口の中をリセットしながら最後まで飽きずに楽しめる。
いざ実食。タレの層が“香ばしさ”と“旨さ”を運んでくる。

目の前に届いた一杯は、
まるで肉がごはんを抱きしめているような迫力だった。
分厚めに切られたロース肉が、器いっぱいに敷き詰められている。
色は焦げ茶に近く、バラ肉の縁が少しカリッと焼けているのがわかる。
しかも、表面には何層にも重ねられたタレの“艶”がある。
香りをかぐと、もうそれだけで“食べるスイッチ”が入る。
炭火ではないと聞いていたが、香ばしさは完全に炭火クラス。
ひと口、いった。
……うまっ!!!
思わず口から漏れた。
まず、タレの深みがすごい。甘辛のバランスが絶妙で、ごはんとの相性が異常に良い。
それでいて、肉がしっとりしていて、嚙みしめるたびに旨味が溢れる。
何層にも重ねられたタレが、表面でキャラメリゼのように軽くパリッと焼かれ、
中はふんわりジューシーという、食感のコントラストがたまらない。
タレごと食わせる“肉芸術”。ごはんが止まらない。

そして何より…ごはんが止まらない。
豚丼というのは、タレと肉だけでは完成しない。
ごはんとの三位一体でこそ、完全体となる。
その点、「はなとかち」の豚丼は圧倒的だった。
タレがごはんにまでしっかり染み込み、
肉でごはんを包んで頬張ると、もうそれは小さな幸せの塊。
アクセントの山ワサビも最高!!
スプーンがあれば掘るように食べていたかもしれない。
見た目も香りも、そして“記憶”にも残る豚丼
美味い豚丼にはいくつか共通点がある。
- 香ばしい
- 甘辛い
- 肉が柔らかい
- ごはんと一緒に食べると幸福
でも、「豚丼はなとかち」は、そこに“タレの芸術性”が加わっている。
タレを塗って焼く。塗って焼く。
それを繰り返す手間と情熱が、一口一口から伝わってくるのだ。
炭火じゃない。
だけど、炭火じゃないからこそ生まれた“重なりの旨さ”。
食べ終えたあと、まるで濃厚な物語を読んだような満足感があった。

まとめ:炭火じゃないからこそ“はなとかち”は特別だ。
もしあなたが、帯広で「炭火の豚丼」にこだわって店を選ぶなら、
一度だけでいい、「豚丼はなとかち」に立ち寄ってみてほしい。
きっと、こう思うはずだ。
「炭火じゃなくても、ここまでうまい豚丼があるのか」と。
タレを重ねて生まれた奥深さと香ばしさ。
電気グリルとは思えない焼き加減。
肉の質、切り方、盛り方。
そして、何よりごはんとの一体感。
豚丼好きにこそ体験してほしい。
ここでしか味わえない“重ねの豚丼”。
炭火じゃない。
でも、それがこの店の“火”の個性だ。
店舗情報
公式サイト:https://www.hanatokachi.com
店名:豚丼はなとかち
所在地:帯広市大通り南12丁目2-4 佳ビル1F
アクセス:帯広駅より車で約5分
営業時間:11:00~15:00 / 17:00~20:00(定休日:火曜日)※要HP確認
駐車場:5台あり(店舗裏に完備)
テイクアウト:あり(弁当・冷凍販売あり)
